【作業分析】ポンポン手芸

当事業所に常駐の作業療法士による、各作業についての分析と見解を掲載しています。
患者様・進路を検討されている方へのご参考にしていただけると幸いです。


【ポンポン手芸作業分析】

◆要約◆

わかりやすく簡単な手順で、可愛いニットの小物を作ることができる『ポンポン手芸』。
ふわふわな手触りが心地いい、お子さんからご年配の方まで取り組める作業です。
※作成の手順は こちら でご紹介しております。


●前提●

脳障害などにより身体機能が低下した人が、リハビリで行き当たる大きな壁のひとつに『以前と違う自分』があります。病前には日常的に難なくこなしていた作業が、思うようにできなかった時。
以前と比べて『できなくなっている自分』を気にしてしまい、意気消沈しモチベーションがあがらないシーンが多く見られます。

●解決方法●

そのため、病前に手がけたことがない作業を題材にしたほうが、以前の自分と比べることなく、取り組みやすいメリットがあります。

道具は、大きすぎず小さすぎずの扱いやすいサイズ。
基本作業は、毛糸を巻いて最後にはさみでカットの、わかりやすい手順です。

●ポンポン手芸の意義・メリット●

①ポンポン手芸は、プラスチック製ネットの目に沿って糸を通していくことで作品が完成します。

規則的で比較的簡易な手順のため、脳機能障害や思考障害があっても混乱せずに取り組みやすい作業です。

②通常の手芸は、病前にやっていた人も多く、上手くできなかった場合に、病前の自分と比べて落ち込んでしまう懸念があります。

ポンポン手芸は、病前に馴染みがあった人が少ないことも、楽しく前向きな気持ちで取り組める要因のひとつです。

③作業療法の効果は作業の要因だけでなく、対人関係の要因も大きく影響しています。

ポンポン手芸の作品を、家族や知人にプレゼントにする人も多く、『誰かのために』作ることにより、脳機能の活性化とモチベーション向上につながるという研究報告があります。

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